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共伸(栃木県那須塩原市)

2016/04/18 19:48 に Hiroyuki Yokoyama が投稿

太田主幹
 共伸(栃木県那須塩原市)は、超精密連続金型設計製作およびプレス部品加工を持って医療機器部品及び特殊針の製造を行っている。
 営業品目としては一般電気漏電遮断器部品、自動車用薄板バネ、リードフレーム、コネクタなどの電子部品の製造販売を行っている。
 精密プレス加工、微細絞り加工をもって業界に確固たる地位を築く。
 同社とレーザの歴史は、昨年6月から、澁谷工業製ファイバーレーザ加工機「SPF2305/SFX400」の導入に始まる。なんと加工範囲が500角のボールネジ駆動、発振器出力400Wの小型レーザが導入1号機である。
 レーザ加工機導入の経緯につき、同社試作開発戦略チーム・太田明雄主幹に聞くと「当社の業務はプレス加工がメインでしたが、昨今の動きとして、多品種少ロットの依頼傾向が強くなり、ここでの試作要求対応を考えるとき、いきなり金型製作ではコスト的にも大変ですから、試作を考えてのレーザ加工機の導入となりました」とのこと。
 現在の稼働状況について聞くと「まだ、導入後1年も経っていませんから、さまざまな金属の加工を持って、それぞれの金属の加工データを揃えているというのが、今の状況です。加工板厚としては1㎜以下の薄板、素材としては鉄、ステンレス、アルミ、銅、チタンなどさまざまな金属の加工を行い、近い将来の量産も考えてのデータ収集が現在の業務です」太田主幹の言葉。
澁谷工業製ファイバーレーザ加工機
 試作専用機として導入されたファイバーレーザ加工機、その加工精度の評価は「通常のCO2レーザ加工機では難しい、薄板の微細加工ができ、通常では不可能な光もの金属の切断が可能ですから、大変に付加価値の高い加工が実現できます」とのこと。
 切断後のバリ処理が次工程となるが、それ以外は、これといった問題もなく、現在まで稼働している。
「今は、まだ試作段階ですが、各種データが揃ったら、近い将来、1名のパート女性オペレータを専任とし、レーザ加工を一つの加工セクションとして構築したいと考えています」太田主幹の言葉に次の方向が見える。
 ファイバーレーザの活用事例は、①薄板の精密加工、最小切断幅40μが可能であり、薄板の微細加が可能。コネクタ、医療部品の試作に対応可能②パイプへの穴加工、医療用のパイプへの穴加工や形状付きの加工が可能③順送金型の事前検証、順送金型の工程作成時にレイアウトを加工することで、金型設計の事前検証やトライ時間の短縮が可能となる。
 さまざまな加工要求に対応可能なことから、近い将来の同社におけるレーザ技術の適用範囲の拡大は、そこにも大きなものが覗える。
切断されたワーク材
 パート女性を近い将来、レーザ加工の専用スタッフにとの太田主幹のコメントに、加工ステージ500×500㎜、加工ワークの軽量・小型、同社の特殊性の高い仕事ならではのコメントとして、興味深いものがある。
 通常の板金市場における定尺材の加工では、女性の専任は、ちょっと難しい。レーザ加工現場の新しい取組としても注目である。

アール・ティー(神奈川県綾瀬市)

2016/04/03 17:40 に Hiroyuki Yokoyama が投稿

平野会長
 アール・ティー(神奈川県綾瀬市、小吹恵津子社長)は、設計からレーザ加工のプロフェショナルを揃えた、本社工場(レーザ加工工場)、板金工場では、曲げ加工、溶接および機械加工までの一貫設備を持ち、自動車用部品、理科学機器の実験台など多品種少量生産に的確に対応し、確かな生産性を誇る企業である。
 同社の保有するレーザ加工機は現在5台、全てコマツ産機製である。3次元レーザ加工機2台「TLM610」(2kW)「TLM610」(1・2kW)、2次元レーザ加工機3台「TLV510」(4kW)「TLV510」(2kW)「TLV570」(1・7kW)である。設計は2次元CADを有し、試作品・板金加工まで一貫生産を行い、そこにも高い技術をもっている。
 5台のレーザ加工機はオペレーターと、新人教育などを担当する熟練スタッフを含む5名、新人3名の合計8名でレーザ加工を担当している。
 ソフト技術のCAD/CAMは1名が専任、サブ1名として対応している。
 同社は、レーザ加工の歴史とも言える平野洋一会長は、レーザ加工現場に携わること、何と30年以上という国内レーザ加工の誕生から関係してきた人物である。
「当社の歴史としては、創業12年ですが、私の以前の業容から考えると、そこにはいち早く、3次元加工機の導入など、時によってはメーカーへの加工機開発提案などを行って、より特有なレーザ加工機技術を保持し、この業務に携わってきたのが歴史です」平野会長の言葉があった。
コマツ産機製3次元レーザ加工機
 現在、同社は軟鋼、ステンレスの切断をもってレーザ加工に携わるが、板厚は軟鋼0・5~16㎜、ステンレス0・2~12㎜の切断加工を行っている。
 レーザ加工技術の推移については「以前はレーザ溶接もやっていたが、現在はレーザ切断のみです。将来の展望は、多品種少量とはいえ、現在は切断のみですが、生き残りを考えると特殊性の高いレーザ加工技術も必要になると思います。まあ、これについては若い人達の大きなテーマになると思います」平野会長の言葉には若いスタッフの目指すべき方向が見えた。
 現在のレーザ技術は生産性を追求し、操作性を簡易にし、ジョブショップ対応機としては、どんどん向上している。板金企業としての生き残りのためにも、独自性の高いレーザ加工技術が必要との意味のようだ。
 単純な価格競争より独自性のある加工能力で、付加価値の高いレーザ技術で確固たるポジションを目指すことが大切といえる。
 現在、注目すべき保有レーザ加工機は一昨年導入の2次元加工機「TLV510」(4kW)と昨年導入の3次元加工機「TLM610」(2kw)である。
 平板材は2次元加工機、丸パイプや角材の加工・穴あけなどは3次元加工機で行う。この新たな加工機の導入により、大きく精度、生産性の向上を実現している。
 新たな加工機導入時のトラブルなどの有無について聞くと「加工機の操作性は従来機に比べ大きく向上しており、加えて当社スタッフも熟練が多く、いずれの導入時も垂直立上げ、導入後、毎日8時間に2時間前後の残業、昼休みや就業後はワークをステージにセット、無人運転で、日々の業務をこなせている」の言葉があった。
 今後の設備への取組について聞くと「現在稼働の加工機2次元1台(1・7kWタイプ)、3次元1台(1・2kWタイプ)の老朽化が進んでおり、来期中には、この内、1台の更新を考えている。次に来々期にはもう1台を更新し、レーザ設備の刷新計画を考えている」のとのこと。
 最後に新たなレーザ技術への取組について聞くと「今すぐに設備化を考えるというものではないが、ファイバーレーザの動向には注目したいと考える。当社ような業容では、早いだけでは導入効果は少なく、注目すべきは従来の加工材である軟鋼、ステンレス以外の金属、それは銅・アルミ・チタンなど従来のレーザ技術では加工できなかった素材に注目し、近い将来、業容・市場の拡大が見えた時にタイムリーに動ける準備は必要と考えている」平野会長の力強い言葉があった。
 レーザ加工のパイオニアとして業界に確かな地位を誇る同社の今後に注目したい。

河村産業所(愛知県あま市)

2016/03/30 0:56 に Hiroyuki Yokoyama が投稿

生産技術課 鈴村氏
 河村産業所(愛知県あま市)は、昭和13年創業の「一流のものづくり」を通じ、ユーザーに「安心・信頼」「感動」を届ける企業として、現在は小型バスの部品、建機の部品、エアコンの室外機部品などの製造をもって、鉄鋼やメッキ鋼板など、加工処理量月間900トンを誇る企業である。
 同社とレーザ加工機の歴史は古く、そこには確かな技術力を誇る。3次元CO2レーザ加工機の導入に目を向けると昭和63年に1号機導入、28年前から技術を研鑚し 続けており、その技術レベルの高さがここにも覗える。
 現在稼働のレーザ加工機は5台、2次元加工機はファイバーレーザ加工機(4kWタイプ)1台、CO2レーザ加工機(4kWタイプ)1台、3次元CO2レーザ加工機(2kWタイプ)3台である。
 レーザ加工機の加工は、板厚0・6~3・2ミリを中心に6ミリまでの加工を主に行っている。現在のレーザ加工の処理量や担当スタッフの動向について同社レーザ部門の責任者、製造部生産技術課・鈴村直也氏(写真)に聞くと「現在の月間レーザ処理量は約100トン、その板厚は0・6~3・2ミリの処理が中心で、この切断加工は昨年10月末に導入したファイバーレーザ加工機(三菱電機製ML3015eX‐F40:写真)で行い、その他の厚モノ4・5~6ミリの切断はCO2レーザ加工機で行っています。また、マイクロバスの部品などプレス加工後の切断は3次元CO2レーザ加工機3台がフル稼働しています」の言葉が返ってきた。
 そこで今注目の技術であるファイバーレーザ加工機の導入の経緯について聞くと「一昨年末、当時稼働していたCO2レーザ加工機(2kWタイプ)が、その導入後13年が経過し、その処理能力もかなり落ちていました。そんなことから次号機の導入を考えることになりました。当初は、導入価格等を考えるとCO2レーザ加工機(4kWタイプ)の買換えを考えていましたが、ファイバーレーザ加工機(三菱電機製NX‐F:2・5kWタイプ)との比較検討の結果、現在の河村産業所の加工内容であれば、ファイバーレーザのメリットが活かせることが分かり、ファイバーレーザ加工機の導入の方向性が決まりました。そんな時、昨年6月、今回の導入機『ML3015eX‐F40』が発表されました。4kWという出力、その加工能力、導入価格、あらゆる条件が合ったことから同機の導入を決め、昨年10月末に導入しました。それから問題なく稼動し現在に至っています」との事。
昨年10月末導入の三菱電機製ファイバーレーザ加工機
 当時、ファイバーレーザ加工機更新による試算結果として①最新のファイバーレーザ加工機の生産性は現行機の150%以上が見込める②ランニングコスト(電気代・加工ガス代)の削減率は、50%以上を見込める③ファイバーレーザ加工機のイニシャルコストは、CO2レーザと比較してまだ高いがランニングコストおよびメンテナンスコストが削減でき、設備の生涯費用は同程度と試算される④今回の設備更新にあわせて生産支援ソフトを導入し、高効率生産システムを構築する――の結論がでた。
「導入後の加工処理量は1・5倍、電気代は50%以下、このままで行けば電気代の削減のみでCO2機との導入コスト差を11年で吸収できるものと見ています。さらに、メンテナンスコストは、まだ導入後の経過時間が短いので試算していませんが、おそらく半分から3分2は削減できると思っています」鈴村氏の答えがあった。
 そこで今後のレーザ加工の取組みについて聞くと「5台を5名のオペレーターで稼働させており、これを如何に少人数化できるか、また、現在1日8時間に加え、残業2時間、最後にワークをステージにセット後の無人運転を行っているが、より効率の良い運転加工も課題と考えています」の言葉があった。
 最後に今後のレーザ加工機の買換えについて聞くと「2次元CO2レーザ加工機の買換えは、まだまだ先ですが、その買換え時は、やはりファイバーレーザでしょうね。現在、買換えを考えないといけないのは、3次元CO2レーザ加工機ですね。3台の内、その1台の老朽化が激しく、ここでは新たなレーザ技術の検討を考えたい」の言葉があった。
 常に、生産性向上を考えたレーザ技術の研賛に勤めるレーザ部門担当の鈴村氏のコメントに同社の確かな方向性が覗えた。
 今後の同社のレーザ技術への取組みに注目である。

(株)ミヤシタ

2016/02/17 19:18 に iGasmedia com が投稿

宮下孝夫社長
  ㈱ミヤシタ(長野県上田市、宮下孝夫社長)は、今年、創業40周年、現在は農業機械のメーカーとして切断から曲げ、溶接、塗装、組立と一貫した加工技術を持ち、地域にあって確かな地位を築く企業である。

 同社とレーザ加工機の歴史は14年前、それまでは外注であった軟鋼材の切断加工を三菱電機製レーザ加工機の導入により内作化した時から始まる。
 やがて2号機(同じく三菱電機製4kW)4尺×8尺パレットチェンジャー付きを導入した。
 同社のレーザ加工の特長、1号機は4尺×8尺10段ストッカーシステム付、2号機はパレットチェンジャー付と、常に連続稼働を意識した加工機の導入である。
 昨年5月、その1号機の更新をもって、最新レーザ加工機の導入を実現したが、それは三菱CO2レーザ加工機「eX‐S Edition」で、4尺×8尺15段ストッカー付システムであり、その連続稼働への対応を、より強く意識していることが、ここでも見える。
工場内に設置されたレーザ加工機
 「15段ストッカーシステムは、昼間はもちろん、夜間の稼働も考えると不可欠な設備と考えています。また、現在保有の2台の加工機は、板厚6㎜以下はストッカータイプ、9㎜・12㎜・15㎜といった厚物はパレットチェンジャータイプと、その板厚により使い分けていますが、時期により薄板が多い時は2台で薄板を、厚板が多い時は、これも2台で厚板加工処理しています」との宮下社長の言葉があった。

 常に生産性を考えた加工機の稼働を実現しているのが分かる。
 夜間は、何れの加工機にもワークをセットし帰宅し、後は無人運転を行っており、このあたりにも、その確かな技術力が見える。現在、加工機の専任スタッフは2名で行っているが、スタッフの能力も、このあたりにうかがえる。
 月間の処理トン数について聞くと「当社の加工は、農業機械の部品製造なので、そのほとんどが軟鋼材の加工です。ただし、加工量につきましては、シーズンにより板厚が換わるので処理トン数も、季節により変わります。とはいっても40トンから60トンが月間の加工量です」との事。
精密加工されたワーク材
 昨年5月の新型レーザ加工システムの導入により、大きく変わったのは、この稼働時間である。

 それまではほぼ365日の稼働であったが、現在は時々、土曜日の出勤はあるものの、日曜日は休業との事で、最新レーザ加工機の、その生産性の高さが、ここに見える。
 今後の設備導入について聞くと「レーザ加工機の買換えは、まだ考えていないが、常に新たな技術への研究・研修は重要と考えている。一例ではあるが、ファイバーレーザ加工機もその一つと考えている。昨年5月の更新の時にも、ファイバーレーザの話はあったが、当時、その加工能力を考えると、不足の感があり、やはりCO2レーザの導入を選択しました。ただ、今後の動きを見ると、ファイバーレーザの動きには注目して行きたい」との事。
 そこで最後に新たな技術への取り組みついて「やはり、当社で必要な溶接・切断、曲げなど、その最新技術の展示会や発表会には積極的に参加し、最新の情報を入手し、加工現場に適した設備導入を常に行い、加工能力向上と生産効率の向上を実現して行きたい」との言葉があった。
 創業40周年を迎える同社であるが、やがて45周年、50周年へと、その優れた技術対応力をもってすれば、業容の大きな広がりが期待される。   

[平成27年09月25日号掲載]

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