アール・ティー(神奈川県綾瀬市)

2016/04/03 17:40 に Hiroyuki Yokoyama が投稿
平野会長
 アール・ティー(神奈川県綾瀬市、小吹恵津子社長)は、設計からレーザ加工のプロフェショナルを揃えた、本社工場(レーザ加工工場)、板金工場では、曲げ加工、溶接および機械加工までの一貫設備を持ち、自動車用部品、理科学機器の実験台など多品種少量生産に的確に対応し、確かな生産性を誇る企業である。
 同社の保有するレーザ加工機は現在5台、全てコマツ産機製である。3次元レーザ加工機2台「TLM610」(2kW)「TLM610」(1・2kW)、2次元レーザ加工機3台「TLV510」(4kW)「TLV510」(2kW)「TLV570」(1・7kW)である。設計は2次元CADを有し、試作品・板金加工まで一貫生産を行い、そこにも高い技術をもっている。
 5台のレーザ加工機はオペレーターと、新人教育などを担当する熟練スタッフを含む5名、新人3名の合計8名でレーザ加工を担当している。
 ソフト技術のCAD/CAMは1名が専任、サブ1名として対応している。
 同社は、レーザ加工の歴史とも言える平野洋一会長は、レーザ加工現場に携わること、何と30年以上という国内レーザ加工の誕生から関係してきた人物である。
「当社の歴史としては、創業12年ですが、私の以前の業容から考えると、そこにはいち早く、3次元加工機の導入など、時によってはメーカーへの加工機開発提案などを行って、より特有なレーザ加工機技術を保持し、この業務に携わってきたのが歴史です」平野会長の言葉があった。
コマツ産機製3次元レーザ加工機
 現在、同社は軟鋼、ステンレスの切断をもってレーザ加工に携わるが、板厚は軟鋼0・5~16㎜、ステンレス0・2~12㎜の切断加工を行っている。
 レーザ加工技術の推移については「以前はレーザ溶接もやっていたが、現在はレーザ切断のみです。将来の展望は、多品種少量とはいえ、現在は切断のみですが、生き残りを考えると特殊性の高いレーザ加工技術も必要になると思います。まあ、これについては若い人達の大きなテーマになると思います」平野会長の言葉には若いスタッフの目指すべき方向が見えた。
 現在のレーザ技術は生産性を追求し、操作性を簡易にし、ジョブショップ対応機としては、どんどん向上している。板金企業としての生き残りのためにも、独自性の高いレーザ加工技術が必要との意味のようだ。
 単純な価格競争より独自性のある加工能力で、付加価値の高いレーザ技術で確固たるポジションを目指すことが大切といえる。
 現在、注目すべき保有レーザ加工機は一昨年導入の2次元加工機「TLV510」(4kW)と昨年導入の3次元加工機「TLM610」(2kw)である。
 平板材は2次元加工機、丸パイプや角材の加工・穴あけなどは3次元加工機で行う。この新たな加工機の導入により、大きく精度、生産性の向上を実現している。
 新たな加工機導入時のトラブルなどの有無について聞くと「加工機の操作性は従来機に比べ大きく向上しており、加えて当社スタッフも熟練が多く、いずれの導入時も垂直立上げ、導入後、毎日8時間に2時間前後の残業、昼休みや就業後はワークをステージにセット、無人運転で、日々の業務をこなせている」の言葉があった。
 今後の設備への取組について聞くと「現在稼働の加工機2次元1台(1・7kWタイプ)、3次元1台(1・2kWタイプ)の老朽化が進んでおり、来期中には、この内、1台の更新を考えている。次に来々期にはもう1台を更新し、レーザ設備の刷新計画を考えている」のとのこと。
 最後に新たなレーザ技術への取組について聞くと「今すぐに設備化を考えるというものではないが、ファイバーレーザの動向には注目したいと考える。当社ような業容では、早いだけでは導入効果は少なく、注目すべきは従来の加工材である軟鋼、ステンレス以外の金属、それは銅・アルミ・チタンなど従来のレーザ技術では加工できなかった素材に注目し、近い将来、業容・市場の拡大が見えた時にタイムリーに動ける準備は必要と考えている」平野会長の力強い言葉があった。
 レーザ加工のパイオニアとして業界に確かな地位を誇る同社の今後に注目したい。
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